以下では、特許権に関する概要を説明しています。すべての事柄を網羅しているわけではないので、何か気になることなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

特許権とは?

一言であらわすと(厳密な定義ではありません)、

新しくて進歩がある発明を公開する代わりに一定期間発明を独占できる権利

ここで、「一定期間」は、言い換えると、特許権が設定登録されてから特許権が切れるまでの期間です。特許権は、特許庁へ権利取得のための手続きをした日(出願日)から20年間存続しますが、出願日から設定登録されるまでに時間がかかるため(平均約2年)、実際には20年より短くなります

また、特許権は、発明公開の代償として与えられるため、特許出願の内容は、一律に、出願日から1年6か月後に公開されます。したがって、ノウハウ的なものは、特許権を取得せず、営業秘密として保護したほうが良い場合があります。

なお、「進歩がある(進歩性)」とは、「簡単に思いつかない」というような意味合いをもっており、斬新な発想で生み出した発明であれば、先進的な技術を使って実現したものでなくても、「進歩性がある」とされます。そのため、「そんな難しい技術じゃないから、特許をとれないかも…」と悲観しなくても大丈夫です!

特許権を取得するメリットは?

  • 他社による模倣に対抗!(使用差止、損害賠償請求、税関における輸入禁止、警察による取り締まり)
  • 他社にライセンス(実施許諾)をしてライセンス料が得られる!
  • 資金調達元へのアピール材料になる!
  • アイディアを盗まれるリスクを回避して、クラウドファンディングを活用できる!
  • 発明者に対する報奨金制度を設けることにより、エンジニアのモチベーションを高めて人材育成を効率化
  • 発明者に対する報奨金制度は、採用活動の際に自社のアピールポイントになる!

特許権を取得するタイミングは?

発明を利用した商品やサービスをリリースする前に、特許権を取得するための手続き(出願)をする必要があります。世の中になんらかの形で知られてしまった発明(SNSでの告知なども含まれます)は、出願しても、新しい発明ではない(新規性なし)との理由で、特許庁の審査でNGとなるからです。

出願準備にある程度時間がかかることを考えると、商品やサービスが完成する前に、ある程度アイディアが固まった段階で弁理士に相談するのがベストです。

なお、発明を公表してしまってから1年経っていない場合は、救済規定を利用することができる場合があるので、弁理士に相談してみてください。

特許権を取得するための手続きとは?

特許庁に対し、特許出願として、必要書類を提出します。具体的には、「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「図面」「要約書」という5種類の書類を提出します。

また、特許庁で出願内容を審査してもらうためには、「審査請求」という手続きが必要になります。この手続きは、出願と同時でもよいですし、出願日から3年以内であれば、いつでも可能となっています。
早期に権利化したい場合は、出願と同時がよいですが、商品やサービスを改良する予定がある場合などは、様子を見て新たな出願戦略を採ったほうがよいこともあるので、審査請求のタイミングは、弁理士に相談するとよいです。

なお、早期権利化を望む場合、ベンチャー企業などを対象とした早期審査制度を利用して、通常より審査結果を早く得られる場合があります。

特許庁への手続きをイーリス特許事務所に依頼するメリットは?

特許出願は、法律上は、特許権を取得したい会社や個人で自ら行うことができますが、書類の作成が難しいので、特許事務所や弁理士に依頼することがほとんどです(実際に、本人による出願は、全出願の約7%にすぎません)。

大手特許事務所や中小特許事務所を含め数多の依頼先がありますが、弊所に依頼すると以下のメリットがあります!

  • 代表弁理士である作山が書類作成をはじめとして全て対応します!
    個人事務所であるので、当たり前すぎますが、このことが意外ととても重要なポイントと言えます!なぜならば、大手事務所や、ある程度の従業員がいる中小規模の事務所では、実際に書類作成などの作業をする人物が、顧客窓口を担当している弁理士ではなく、弁理士資格を有しない特許技術者等の従業員である場合が往々にしてあるのです。最終チェックは、担当弁理士が責任をもって行っているとは思いますが、内情はわかりません…弊所であれば、間違いなく、私(弁理士 作山)が対応します!
  • 特許発明の価値は、出願書類に記載された内容で決まるといっても過言ではないからこそ、確かな品質の文書を作成します!
    特許権を取得するためには、出願書類として、発明を言葉で説明する文書を作成しなければなりません。また、特許権の権利範囲は、出願書類のうち「特許請求の範囲」の記載に基づいて決まります。
    そして、「特許請求の範囲」を含む出願書類は、ある程度様式は決まっているものの、書く人の裁量による部分がほとんどであるため、同じ発明を表現するにも十人十色となります。また、特に、「特許請求の範囲」においては、権利範囲が広くなるように、一つ一つの用語を慎重に選び抜くことが重要になってきます。
    つまり、いかに質の良い出願書類を作成するかということが重要であり、質の良し悪しは、弁理士本人の文章力と、丁寧な仕事をしようとする誠意によって決まります。
    弊所であれば、決して格安・超スピード対応はいたしませんが、確かな文章力でもって、誠意を込めて文書を作成いたします。なお、文章力については、(自慢話に聞こえるといやなのですが)弁理士論文試験の全国模試で1位になった経験がありますので(後日在宅受験の数人に抜かされてしまいましたが)、確かなものと自負しております。
  • ユーザの視点や将来的なニーズを見据えた追加のアイディアもきっちり含めて出願書類を作成します!
    特許出願では、例えば、まだ実装していない機能など、アイディア段階のものも発明として出願することができます。例えば、モバイルアプリに関する発明において、まだ画面デザインが決まっていない場合なども、弊所(弁理士 作山)の方で、画面例を想像して図面を作って出願内容に含めるようにしております。

特許権取得にかかる費用は?

弊所に特許出願を依頼された場合に、出願から登録までにかかる費用は以下の通りです。
以下の項目のうち「拒絶理由通知対応料」とは、審査の結果、登録できない理由が見つかった場合に通知される「拒絶理由通知」に対して必要となる対応にかかる費用を示しています(統計的に平均して1回は拒絶理由が通知されます。なお複数回通知されることもあります)。
なお、以下では、「特許請求の範囲」が10個の請求項で構成される場合を想定しています(ちなみに、平均請求項数は9です)。

  • 出願料(調査料込み)
    弊所手数料:450,000円
    特許庁手数料:14,000円
    合計:464,000円
  • 審査請求料
    弊所手数料:10,000円
    特許庁手数料:138,000円+(10×4,000円)=178,000円
    合計:188,000円
  • 拒絶理由通知対応料
    弊所手数料:意見書作成料 80,000円
          補正書作成料 70,000円
    特許庁手数料: 0円
    合計:150,000円
  • 登録料(特許料3年分と弊所成功報酬)
    弊所手数料:100,000円
    特許庁手数料:3×{4,300円+(10×300円)}=21,900(令和4年4月1日以降に適用される料金です)
    合計:121,900円
  • その他
    特許権取得から4年目以降、特許料を1年ごと、または複数年分をまとめて支払う必要があります。なお、特許料は、年を追うごとに高く設定されおり、特に登録から10年目を境に大きく引き上げられます。特許料納付のタイミングで、特許権の経済的な価値などを勘案して特許権を維持するかどうかを見直すことが可能です。
    審査請求料と特許料については、中小企業、個人及び大学等を対象とした減免措置が受けられる場合があります。
    また、地方自治体などが、上記費用の一部または全部に対して補助金を交付する補助金交付事業を実施している場合があります。